MARCHの英語長文が読めない人へ|原因とレベル別の勉強法
「単語帳はやっているのに、MARCHの長文になると読めない」
「一文ずつなら訳せるのに、文章全体になると何を言っているのか分からない」
「長文を何題解いても、なかなか偏差値が上がらない」
MARCHを目指している受験生によくある悩みです。
しかし、英語長文が読めない原因は、全員同じではありません。
偏差値50前後の人と、偏差値60前後の人、偏差値70近くある人では、足りない力が大きく違います。
結論から言うと、英語長文の力は大きく、
語彙・文法・英文解釈
という「ヨコの力」と、
文章全体の論理構造を捉える力
という「タテの力」に分けて考えると分かりやすくなります。
そして、偏差値が上がるにつれて、課題は次のように変わっていきます。
* 偏差値〜50:基礎語彙・文法・英文解釈が不足している
* 偏差値50〜60:特に文法・英文解釈という「ヨコの力」が弱い
* 偏差値60〜70:一文は読めるが、文章全体の「タテの力」が弱い
予備校の学習アドバイスでも、まず語彙・文法を固め、その後に主語・述語・修飾関係を捉える構文力を鍛え、さらに文章全体の主張や立場、要点を整理する練習へ進む流れが推奨されています。
この記事では、MARCHの英語長文が読めない原因を、偏差値別に解説します。
まず知ってほしい|「長文が読めないから長文を解く」は危険
英語長文が苦手になると、
「とにかく毎日長文を1題解こう」
と考えがちです。
しかし、これは必ずしも正解ではありません。
長文が読めない原因が、
単語不足
なのに長文を解き続けても、知らない単語だらけで終わります。
原因が、
英文解釈不足
なのに長文を解き続けても、一文一文の構造が取れないままです。
原因が、
論理構造を捉える力の不足
なのに、SVOCばかり振っていても伸びません。
つまり重要なのは、
「長文が読めない」ではなく、「なぜ読めないのか」を特定すること
です。
東進の学習アドバイスでも、語彙・文法を身につけた後に、一文ずつ主語・述語・修飾関係を正しく捉える力を鍛えてから長文演習へ進むことが勧められています。
英語長文には「ヨコ」と「タテ」がある
ここから非常に重要です。
英語長文を読む力は、
ヨコの力
と
タテの力
に分けて考えてみてください。
ヨコの力とは、
一文を正確に読む力
です。
具体的には、
英単語
英文法
英文解釈
構文把握
などです。
例えば一文を読んだときに、
「主語はどこ?」
「動詞はどこ?」
「このthatは何?」
「このwhichは何を修飾している?」
「この分詞はどこにかかっている?」
を判断する力です。
一方、
タテの力とは、
文と文、段落と段落のつながりを理解する力
です。
例えば、
筆者の主張
具体例
反対意見
因果関係
対比
言い換え
結論
などを整理します。
英語が伸びてくると、
一文を読む力だけでは足りなくなります。
ここが偏差値60前後から伸び悩む受験生に非常に多いポイントです。
偏差値〜50|長文以前に基礎が足りていない
まず、模試の英語偏差値が50前後までの人です。
この層でMARCHの英語長文が読めない場合、
原因の多くは、
長文読解力以前の問題
です。
具体的には、
英単語が足りない。
英文法が曖昧。
英文の構造が取れない。
この3つを最初に疑ってください。
原因① 基礎語彙が不足している
例えば長文の一段落を読んで、
10語、20語と意味の分からない単語がある状態では、
文章全体を理解するのは難しいです。
この状態で、
「文脈から推測しよう」
としても限界があります。
文脈から意味を推測するためにも、
周りの単語が分かっていること
が前提だからです。
偏差値50前後なら、難単語帳を増やす前に、
ターゲット1900
システム英単語
LEAP
など、
標準的な大学受験単語帳を1冊完成させること
を優先してください。
以前の記事でも触れた通り、MARCHだからといって最初から英検準1級レベルの単語を大量に覚える必要はありません。
まずは標準語彙です。
偏差値〜50|英文法が分からないと文章を組み立てられない
次に英文法です。
単語の意味を全部知っているのに訳せない。
この場合、
文法・構文の問題
である可能性が高いです。
例えば、
関係詞
分詞
不定詞
接続詞
比較
仮定法
倒置
などを理解していないと、
一文が少し長くなっただけで構造を見失います。
英語長文のための英文法は、
4択問題を解くためだけの知識ではありません。
英文法は、
英文をどのように分解すればいいかを教えてくれるルール
でもあります。
長文読解において英文法が欠かせず、速読だけを意識するより、一文一文を正確に読む精読が重要だという指導もされています。
偏差値〜50|英文解釈を飛ばしてはいけない
そして非常に多いのが、
単語→長文
と進んでしまっている受験生です。
本来は、
単語・文法
↓
英文解釈
↓
長文
という段階があります。
英文解釈とは、
一文を見たときに、
主語
述語動詞
目的語
補語
修飾語
節
句
などを整理し、
正確に意味を取る練習
です。
予備校教材でも、語彙・文法を学んだ後に、一文ずつ構造を正しく捉える段階を置くことが推奨されています。
MARCHの長文が全く読めない人ほど、
長文問題集を増やすより、
一度英文解釈へ戻った方が早く伸びる
場合があります。
偏差値〜50のおすすめ勉強順
この層なら、
単語
↓
英文法
↓
英文解釈
↓
簡単な長文
という順番を守ってください。
長文は、
「MARCH対策だからMARCHレベル」
から始める必要はありません。
むしろ、
少し簡単に感じる英文を、正確に読めるようにする
ところから始めた方が伸びます。
難しい英文を何となく読むより、
簡単な英文を100%近く理解する。
こちらの方が重要です。
偏差値50〜60|最大の原因は「ヨコの弱さ」
次は偏差値50〜60前後です。
このレベルになると、
基礎単語はある程度分かる。
英文法も一通り勉強した。
長文も大体何について書いているかは分かる。
それでもMARCHの問題になると、
正答率が上がらない。
この場合は、
「ヨコの力」が中途半端
であるケースが非常に多いです。
特に、
英文解釈
を疑ってください。
「なんとなく読める」が一番危ない
偏差値50台後半の人によくあるのが、
文章を読んで、
「大体こんな意味だと思う」
という読み方です。
短く簡単な英文なら、それでも正解できます。
しかしMARCHレベルになって、
一文が長くなる。
修飾が増える。
抽象度が上がる。
すると、
なんとなく読み
では誤読が増えます。
例えば、
AではなくB
AだからB
AにもかかわらずB
Aである一方B
といった論理関係を一つ読み違えるだけで、
文章全体の意味が逆になることがあります。
偏差値50〜60|SVOCより「修飾関係」を見る
英文解釈というと、
すべての英文にSVOCを書くイメージを持つ人もいます。
しかし最終的には、
SVOCそのものより、
「何が何にかかっているのか」
を瞬時に判断できることが重要です。
例えば、
長い前置詞句。
関係詞節。
分詞。
同格。
挿入。
こうした要素を、
文の骨格と分けて読む
必要があります。
一文の中で、
「どこが主語・動詞なのか」
「どこからどこまでが修飾なのか」
が分かるようになると、
長文は一気に読みやすくなります。
偏差値50〜60|解釈問題集を「訳して終わり」にしない
英文解釈の参考書をやっていても伸びない人は、
日本語訳だけ確認していることがあります。
それでは不十分です。
英文解釈で確認したいのは、
なぜその訳になるのか
です。
一文ごとに、
この節はどこまでか。
このthatは接続詞か関係代名詞か。
このto不定詞は何用法か。
この過去分詞は何を修飾しているか。
なぜここでこの意味になるのか。
まで確認します。
そして最終的には、
文法用語を考えなくても英文をそのまま処理できる状態
を目指します。
偏差値50〜60|音読を入れる
このレベルから効果が大きくなるのが、
音読
です。
ただし、
意味が分からない英文を100回音読しても意味はありません。
まず、
単語
文法
構造
内容
を完全に理解します。
そのうえで何度も音読します。
英文の構造と内容を理解したうえで音読を重ねることは、構文の定着だけでなく、英文理解のスピード向上にもつながるとされています。
偏差値60前後になったら「一文だけ」を見すぎない
ここから段階が変わります。
一文一文ならかなり正確に読める。
単語も知っている。
文法も分かる。
解釈もできる。
それなのに、
MARCHの長文で点が安定しない。
この場合、
ヨコではなくタテ
を疑ってください。
偏差値60〜70|必要なのは「タテの意識」
偏差値60を超えてくると、
英語長文で重要になるのが、
文章全体の論理構造
です。
英文を、
1文目
2文目
3文目
4文目
とバラバラに読んではいけません。
必要なのは、
なぜ筆者はこの文をここに置いたのか
という視点です。
例えば、
1文目:問題提起
↓
2文目:従来の考え方
↓
3文目:However
↓
4文目:筆者の反論
↓
5文目:具体例
という構造です。
これが見えると、
文章の内容をすべて日本語に訳さなくても、
筆者が何を言いたいのか
が分かるようになります。
「タテ」とは文と文の関係を見ること
英語長文では、
文そのものより、
文と文の間
を見る意識が重要です。
特に注目したいのが、
However
Therefore
For example
In other words
In contrast
Indeed
For instance
As a result
などです。
ただし、
接続表現を暗記するだけでは足りません。
「Howeverがある」
ではなく、
「何と何が逆転しているのか」
まで考えます。
「For exampleがある」
ではなく、
「何の具体例なのか」
を考えます。
これがタテの読み方です。
偏差値60〜70|パラグラフごとの役割を見る
難関大の長文になるほど、
一文ではなく、
段落単位
で文章を捉えることが重要になります。
例えば読んだ後に、
第1段落:テーマ提示
第2段落:一般的な考え
第3段落:その問題点
第4段落:具体例
第5段落:筆者の主張
と一言で整理してみます。
これを続けると、
文章の「地図」が頭の中にできるようになります。
予備校の読解指導でも、構文把握の次の段階として、「誰がどのような立場で何を主張しているのか」「賛成か反対か」「事実か意見か」といった点を整理し、要点をまとめる練習が推奨されています。
偏差値60〜70|具体例を全部真剣に読みすぎない
ある程度英語ができる人ほど、
文章を最初から最後まで同じ強さで読んでしまうことがあります。
しかし、
文章には重要度があります。
例えば、
筆者の主張
と
その主張を説明する具体例
なら、
通常は前者の方が重要です。
具体例に、
人名
研究名
数値
細かいエピソード
が大量に登場しても、
そのすべてを覚える必要はありません。
重要なのは、
「この具体例は何を説明するために置かれているのか」
です。
ここが分かると、読む速度も上がります。
偏差値60〜70|代名詞・指示語もタテで読む
例えば、
this
that
these
such
they
it
などです。
これを単に、
「これ」
「それ」
と訳して終わってはいけません。
何を指しているのか
を必ず確認します。
特に、
This suggests that ...
Such a view ...
This phenomenon ...
のような表現では、
前の一文や段落全体を指すことがあります。
これを追えるようになると、
文章のつながりがかなり見えるようになります。
偏差値60〜70|長文の復習方法を変える
このレベルで、
知らない単語を全部ノートに書く
全文SVOCを振る
全文和訳する
だけでは効率が悪くなってきます。
もちろん誤読した一文は精読します。
しかしそれに加えて、
文章全体の構造
を復習してください。
例えば、
この文章のテーマは何か。
筆者の主張は何か。
各段落の役割は何か。
対立している考えは何か。
具体例は何の具体例か。
結論はどこか。
これを確認します。
「読めたのに問題を間違える」人はタテを疑う
これはかなり重要です。
長文を読み終わった後、
「内容はほとんど分かった」
と思っている。
それなのに、
内容一致問題を大量に間違える。
このタイプは、
単語不足より、
文章の論理関係を正確に捉えられていない
可能性があります。
一文一文の日本語訳は合っていても、
筆者が、
肯定しているのか。
否定しているのか。
紹介しているだけなのか。
批判しているのか。
これを読み違えると選択肢を切れません。
偏差値別|何を優先すればいい?
かなり単純化すると、
偏差値〜50
単語
+
英文法
+
基礎英文解釈
を最優先。
まだ難しいMARCH長文を大量に解く段階ではありません。
偏差値50〜60
英文解釈を重点的に。
長文演習も始めますが、
読めなかった一文を必ず精読します。
特に、
ヨコの正確性
を上げます。
偏差値60〜70
単語・文法・解釈を維持しながら、
文章全体の、
対比
因果
主張
具体例
言い換え
段落構成
を追います。
つまり、
タテの読み方
を身につけます。
長文問題集は難しければいいわけではない
MARCH志望になると、
難関大学向けの長文問題集を使いたくなるかもしれません。
しかし、
自分のレベルより難しすぎる長文を解き続けると、
分からない単語
分からない構文
分からない内容
だらけになり、
復習にも非常に時間がかかります。
長文問題集には段階的に難度を上げる教材もあり、東進のレベル別問題集も現在の学力に応じて段階的に進める設計になっています。
重要なのは、
「今の自分より少し上」
です。
英語長文のおすすめ復習法
長文を解いたら、
まず答え合わせ。
↓
知らなかった単語を確認。
↓
読めなかった文だけ構造分析。
↓
全文の内容を理解。
↓
各段落を一言でまとめる。
↓
筆者の主張と文章構造を確認。
↓
音読。
この順番がおすすめです。
特に、
精読→構造理解→音読
をセットにしてください。
全文和訳は必要?
偏差値50前後なら、
ある程度やる価値があります。
なぜなら、
自分が本当に一文を正確に読めているのか確認できるからです。
しかし偏差値60を超えてきたら、
毎回全文和訳する必要はありません。
読めなかった文。
解答根拠になった文。
構造が複雑だった文。
だけを精読し、
その代わり、
文章全体の論理構造を見る時間
を増やしてください。
MARCH長文が読めないときにやってはいけないこと
一番避けたいのは、
原因を分析せず長文問題集だけ増やすこと
です。
長文が読めない。
↓
別の長文問題集を買う。
↓
それも読めない。
↓
もっと有名な問題集を買う。
これを繰り返しても、根本原因が単語や解釈なら解決しません。
大切なのは、
読めなかった理由を分類すること
です。
「単語が分からなかった」
「構造を取り違えた」
「一文は読めたが前後関係を誤解した」
「文章は読めたが選択肢の根拠を見つけられなかった」
ここまで分析してください。
まとめ|偏差値によって「読めない原因」は違う
MARCHの英語長文が読めないとき、
ただ長文演習を増やすのではなく、
自分がどこで止まっているのか
を確認してください。
偏差値50前後までなら、
基礎語彙・英文法・英文解釈
を疑う。
偏差値50〜60なら、
特に、
一文を正確に読む「ヨコの力」
を鍛える。
偏差値60〜70になったら、
一文だけを見るのではなく、
文と文、段落と段落をつなぐ「タテの力」
を鍛える。
この順番です。
英語長文は、
ただ大量に読めば突然読めるようになるものではありません。
単語
↓
文法
↓
英文解釈
↓
長文
↓
論理構造
と段階があります。
実際、予備校の学習アドバイスでも、語彙・文法→一文の構造把握→文章全体の主張・立場・要点整理という段階的な学習が示されています。
今MARCHの長文が全く読めなくても、
「自分には英語の才能がない」
と考える必要はありません。
偏差値50の人に必要な勉強と、
偏差値65の人に必要な勉強は違います。
だからこそ、
今の自分に足りない段階まで戻って勉強すること
が、結果的には一番の近道です。
MARCH・関関同立専門塾 Strategia
英語長文が伸びないときに難しいのは、
自分では原因を判断しにくいこと
です。
単語不足なのか。
英文法なのか。
英文解釈なのか。
速読なのか。
論理構造なのか。
同じ「長文が読めない」でも、受験生によって原因は違います。
当塾では、
参考書ルート × 毎週の学習管理 × 大学別過去問対策
を組み合わせ、
現在の学力から、
「どこまで戻り、何を終えたら次へ進むのか」
を整理しています。
MARCHの長文を解いていて、
「単語は分かるのに読めない」
「読めているはずなのに点が取れない」
「長文問題集を何冊やっても伸びない」
という場合は、
まず、
自分に足りないのはヨコなのか、タテなのか
を確認してみてください。
長文が読めないだけでなく時間内に終わらない場合は、MARCH英語の時間不足を5つの原因に分ける考え方も確認しておきましょう。